いまち月のハコニワ

発達障害&卵巣嚢腫と生きるアラサーガールブログ

発達障害者の私がコミュニケーションが苦手な理由

こんにちは、いまちです。

 

わたしは人とのコミュニケーションが苦手です。

 

これは当然、発達障害の特性が大きく関わっているのだろうと思っているのですが、あまりにも他人との会話や関わりがしんどすぎる。

 

そこで今回は、発達障害のどのような特性が、コミュニケーションの苦手につながっているかを個人的に考えてみました。

 

 

 コミュニケーションを苦手にする要因

 

主に次にあげる3つの特性が要因になっていると考えます。

 

常識的感覚が乏しく、話し方がわからない

 

 

発達障害者はしばしば、「大きくなった子供」などと言い表されますが、これはとても言い得て妙ですね。

 

精神年齢が低いということでもあるかもしれませんが、発達障害者が「大きな子供」になってしまう大きな原因は、大人になっているにも関わらず、社会的・常識的な感覚が身についていないということだと思います。

 

ここでわたしが重要だと思うのは、常識を「感覚で」理解できていないという点。

 

「感覚で」って、どういう意味だ?

ようするに、頭では常識を理解しているけど、それが感覚を伴わないということ!

 

発達障害者は常識がないとは言いますが、それは半分真実で半分嘘です。

 

発達障害者だって、二十年、三十年と過ごしてきて、ある程度の社会常識はもちろん経験からわかっているのです。

 

ただ、発達障害者の場合、その常識はあくまでも経験則的に理解しているにすぎません。

 

ある状況に遭遇した時に、それまでの人生で経験したデータにより、その場で「どういう行動をとるべきか」を導き出して実行することは可能なのです。

 

例えば、道を歩いていたら目の前の人が倒れたとします。

 

その時、「病人がいたら119番通報」という教育を受けているので、すぐに救急車を呼ぶという「社会的に適切な行動」をとることができます。

 

が、それはそれまでの経験・データに基づいた行動にすぎないので、感覚では何故その行動が正しい行動なのか、何故その行動をとる必要があるのかがわかりません。

 

もちろん、「病人には治療が必要だから」「放っておくと死んでしまうかもしれないから」などという理由は、論理的に考えれば思いつくことができます。

 

しかし、それを頭の表面で、単なる論理としてしか理解できないのが発達障害者です。

 

極端な話が、いわばロボットみたいなものです…

 

経験がなくても感覚でなんとなく理解して動ける、みたいなことは起こらないんですね。

 

ということは、データにない行動はとれないので、倒れた病人の様子を見て「苦しそうだから楽な体勢に変えてあげた方がいいような気がする…」みたいな判断はなかなか生まれてこないということなんです。

 

 (この話はあくまでも例なので、実際には状況によって判断できたりする場合もあるかもしれないですけどね)

 

だいぶ長くなってしまいましたが、ようするにここでわたしが言いたいのは、発達障害者は常識的感覚が乏しいということ。

 

そして、そのことがコミュニケーションに大きな影響を及ぼしていると思うのです。

 

端的にいうと、会話の場面で、その場に適切な話し方を自分で判断し、上手く話すということが難しいのです。

 

そもそも人と人とのコミュニケーションには厳密なルールやマニュアルなどがなく、相手によって話し方や対応の仕方を変えなくてはなりません。

 

ですが、そのようなマニュアルのない、経験の通用しない行動というのが、発達障害者は大の苦手です。

 

ある程度の予想は立てられますが、人間の気分や感情は完全には予測不可能です。

 

そのため、気を遣わなくていい相手に気を遣い過ぎてしまったり、暗黙の了解をスルーして踏みこんでしまったりと、常識を超えた言動をしてしまい、人間関係が上手く築けなくなってしまうのです。

 

暗黙の了解のようなあいまいな対人ルールは特に苦手で、「暗黙の了解」というものが存在することは理解していても、では何故それが必要なのかが感覚的にわかっていません。

 

そのため、それが「暗黙の了解」であると言われないと気付かない、言われて初めて気付くけれど時すでに遅し…みたいなことにもなってしまうのです。

 

他人との距離の詰め方がイマイチわからないんだよね…

相手との関係がどれくらい親密なのか、それを言ったらはたして失礼に当たるのか、逆に言わないことでよそよそしい人間に見られるか…
みたいな関係性も、判断が難しいってことか。

 

もう少し社会の常識を肌で感じられる能力があれば、こんなにも対人関係に問題は起こらないかもしれません。

 

相手の話に興味をもてない(興味の限定)

 

 

 発達障害者は興味の対象・範囲が非常に偏っていて限定的だとよく言われます。

 

それは誰かと会話をする際にも当てはまることで、自分の特定の関心のある内容以外の話には、全然興味をもつことができなかったりします。

 

コミュニケーションの場では、相手に興味をもつことが関係性を築くための一歩ですから、この特性はとてもやっかいだといえると思います。

 

わたし自身の例だけど、脱出ゲームや好きなYoutuberのことにしか興味ないよ。
昔の友人に会うと必ず仕事や恋愛の話になるけど、まっっったく興味がないので、いつもつまらなくて死にそうだよ。

いまちくらいの年齢のやつ(二十代後半)は、仕事の悩みとか周りの結婚の話なんかが話題の中心だよな…。
確かにそれだと、話が合わないよな。

 

興味の対象に関しては、前項の「常識のなさ」にもつながりますが、周りとずれている場合が多いと感じます。

 

具体的には、自分のこだわりのある物事や、熱中するようなこと。もっとかみ砕いて言えば、オタク的な趣味・関心です。

 

発達障害者には、大なり小なりそういうマニアックなオタク気質が備わっているのだと思います。

 

それと、これは個人的な実感ですが、この偏った興味と、同年代との話題のかみ合わなさが、自分は精神年齢が低いと感じている大きな要因なのではないかな、とも思っています。

 

周りがすごく大人びて見える。怖い。

 

 また、相手の話に興味をもてないと困ることのひとつとして、わたしがすごく感じるのが、相手の情報をすぐに忘れてしまうということ。

 

以前、「努力できない原因は、病気と同じ脳のハンデだよという話」という記事でも書いたのですが、わたしは興味のもてないことを本気で覚えられないんですよね。

 

例えば、仲の良い友人が仕事の話を聞かせてくれたとします。

 

その人の会社名や会社のある最寄り駅、何を扱っている会社か、どんな仕事を任されているのか、同僚や上司の名前など、いろんな話をそのときに聞きます。

 

一時間後、わたしが覚えているその人の仕事に関する情報は、せいぜいその人の業種(食品メーカーで働いている、とか)くらいです。

 

それ以外の情報は、「〇〇さんの働いている食品メーカーの、上司の愚痴を聞いた」程度の情報にまとめられて、詳細はすべて忘れてしまうんです。(ちなみにどんな愚痴だったかもほとんど忘れます)

 

これは、わたしの記憶力が悪いわけではありません。

 

むしろ映画やCMのセリフなんかは、けっこう簡単に覚えてしまえるので、そんなに記憶力は悪くないと思っています。

 

それにも関わらず全然覚えていられないので、大変なのは次にその友人に会うときです。

 

相手はわたしが前回の話を全部覚えていることを前提に話を始めるのですが、わたしからしてみたらわからないことだらけで毎回「???」です。

 

ちなみに、相手に不快にさせない程度に毎回「それって○○だっけ…?」と聞いて確認しています。よっぽど仲の良い友達のデータは、少しずつ頭に入ってきているところです。

 

このように、相手の話になかなか興味をもてず、自分の領分の話題にのみやや食い気味に話してしまうため、よほどの理解がある友人などでもない限り、普通に会話をするのも困難なんです。

 

 

ネガティブな感情にのみ敏感で、会話を楽しめない

 

 

発達障害カウンセラーの吉濱ツトム氏の著書『隠れアスペルガーという才能』によると、アスペルガー人は肯定的な感情には乏しく、反対にネガティブな感情(不安、恐怖、怒り、悲しみなど)には強い感受性をもっているそうです。

 

発達障害者は、表情や状況から相手の感情を読み取るのが苦手だといわれていますが、ネガティブな感情への強い共感性のせいで、逆に相手のネガティブな反応だけを敏感に読み取ってしまうことがあります。

 

わたし自身、相手のネガティブな感情だけは、空気で感じるみたいにしてわかっちゃうよ…。

逆に、ポジティブな反応は読み取れないんだな。

そう。相手が楽しんでいるかわからないときは、相手からネガティブな反応が出てないかを確かめて、それが感じられなかったら「どうやら楽しんでいるようだぞ」とわかる、みたいな。

めんどくせぇ…。

 

ネガティブな感情ばかりが感じられて、ポジティブな感情は全然入ってこないので、会話中はものすごく気を遣ってしまい、疲弊したり、傷ついたりします。

 

その結果、会話そのものを上手く楽しむことができなくなってしまうのです。

 

とどのつまり、一人がラク

 

 

常識的な会話の方法がわからない。

 

距離の詰め方もわからない。

 

相手の話に興味をもてない。

 

相手と話が合わない。

 

ネガティブな感情ばかり気になって会話を楽しめない。

 

もう、こんなんでコミュニケーションが得意なわけない。笑

 

結果、一人が一番ラクってことになっちゃいますね。

 

周りに合わせるのって、めちゃくちゃしんどい。

 

それは相手がどんなに親密な関係であったとしても言えることです。

 

わたしは最近、あまりに人との会話が楽しくないし、会話するのが怖すぎるので、

 

  • 女性の3人以上での雑談には加わらない
  • 一対一で話すときも、なるべく相手の目や表情を見ない

 

を徹底しています。そのおかげで、何とか職場の人たちと最低限の会話だけはできています。

 

友人関係も、本当に心から仲が良いと感じられる人以外、連絡を絶ってしまいました。

 

どんどん一匹狼感が増してきている自分の人生ですが、まあしかたがないかなぁと思っています。

 

だって、しんどいなら無理して付き合う必要もないですし。仕事では会話しないと業務に差し支えるので必要ですが、それもやることはちゃんとやっていれば大丈夫だし、と最近は思います。