WAIS‐Ⅲの結果を公開!数値から読み取れる日常の困難と対処法
こんにちは、いまちです。
前回、 【WAIS‐Ⅲ】大人の発達障害を受けたい人が知っておくべきこと(体験記)で、WAIS‐Ⅲとバウムツリーテストを受けた様子をお伝えしました。
今回は、その結果と所見をまとめてみたいと思います。
発達障害かどうかを調べるために受けたのですが、数値から自分がどんなことが苦手で、どういう風にしていったら日常の困難が減るのかも見えてきましたよ!
WAIS‐Ⅲとバウムツリーテストについては、前回の記事を参考にしてね!
いまちの失敗談から、WAIS‐Ⅲを受けるときの注意点もわかるぞ。
しっ…!
WAIS-Ⅲ検査結果
結果の数値を表にしたものがこちら。
【知的水準】
全検査IQ…107(平均~平均の上)
言語性IQ…119(平均の上~高い)
動作性IQ…90(平均の下~平均)
【群指数】
言語理解…118(平均の上~高い)
作動記憶…123(平均の上~高い)
知覚統合…97(平均)
処理速度…84(境界線~平均)
【下位検査項目】
単語…14(言語)
類似…12(言語)
知識…14(言語)
理解…12
算数…9 (言語)
数唱…17(言語)
語音…16(言語)
配列…8
完成…8(動作)
積み木…9 (動作)
行列…12 (動作)
符号…6 (動作)
記号…8 (動作)
さらに、それぞれの下位検査項目ごとの数値をグラフ化したものがこちら。
ギザッギザしてますねぇ…。
数唱の17と語音お16が角みたいにぴーん!と出ているのに対し、符号6、配列8、完成8、記号8ががくーんと落ちてますね。
この差について、心理士さんの分析を下で述べていきます。
WAIS‐Ⅲの結果を受けた分析
全検査IQは107で、こちらは平均の範囲内。
ただし、WAIS‐Ⅲで重要なのは、群指数および下位検査項目間の数値の差です。
群指数の値では、わたしの得意・苦手がはっきりと数値化されていました。
群指数の数値
言語理解…118
比較的高い数値が出ており、言葉を使って物事を理解したり、表現したりすることは得意なようでした。
たしかに、文章を書いたりすることは昔から苦手ではなかったと思います。
作文はあまり好きではなかったのですが、それはまた別の問題だと思います。作文というものに興味をもてなくて意欲的に取り組めなかったのが原因だと思うので…。
文章を構成することに関しては、それほど苦しんだ記憶がないですね。
作動記憶…123
これがわたしの中で最高値でした。
記憶力がとにかくいいので、暗記は得意中の得意ですし、受験なんかも短期集中でがーっと覚えてテストに臨んで一瞬で忘れるみたいなやり方でやってました。汗
いわゆるワーキングメモリーってやつですが、わたしの場合ここには難がないようで、聞いたことを一時的に覚えるのはかなり得意みたいでした。
わたしはスマホで脱出ゲームを年中やるのですが、いつもまったくメモは取らずに全部覚えて頭の中で処理して解いてしまえるというのも、作動記憶の高さゆえなんだな~と思いました。
知覚統合…97
これはたしかに苦手かもしれん、という感じです。
知覚統合は目で見たものの処理能力ですが、日常的に苦手なんだな、と感じる場面がけっこうあります。
たとえば、子供の頃ぬりえが下手くそだったこと、手本を見せられても折り紙が折れない、本を読んでいてちょっと目を離すとどこを読んでいたのか見失うことがよくあるなど。
目で見て見て全体を把握すること・模倣することの苦手が現れている結果だといえます。
処理速度…84
これがわたしの中でもっとも値の低い結果に。
自分的には、「でしょうねぇ…」という感じでした。
昔から何をやらせても遅くて、友人にも「のろま」と言われ続けてきましたから、自覚はがっつりあり。
また、処理速度の低数値は手先の器用さにも関連があるようで、わたしは手先が不器用だと想像できるのだとか。
たしかに、子供の頃から女子にしては字は汚いし、髪の毛を結ぶとぐちゃぐちゃになるし、ピアノもつっかえてばっかりで上達しなかったし、手先は不器用なのだと思います…。
それにしても、「境界線」という数値が出たのは驚きでした。精神遅滞ではないぎりぎりのライン、ということのようです…。汗
群指数の差
群指数では、最大39の差が見られました。
作動記憶123と処理速度84のあいだの差で、これは100人中1人に見られる差なんだそうです。
え、100人に1人って、けっこう少数派じゃないか…?
作動記憶が平均以上なのに対して、処理速度は境界線なんだから無理ないよね。自分の中だけで学力格差が生まれてるような状態だ…
大変だね(憐みの目)
・・・
全体でみると、作動記憶≒言語理解>知覚統合>処理速度という結果になりました。
人は、数値の高い項目を自分の能力レベルと認知しているそうなのですが、他人からは数値の低い項目がその人の能力レベルだと思われる傾向にあるそうです。
わたしの場合、自分では作動記憶123が自分の能力値だと思っているけれど、他人からは処理速度84の人間だと思われているわけです。
自分ではけっこう能力高いと思い込んでいた(実際そうかも)のに、周りからは境界線くらいの能力だと思われていたんですね…。生きづらいわけだ。
所見
全検査IQは107と平均的なものの、言語性IQと動作性IQとのあいだに有意な差が認められたことから、現実適応に困難が生じるとのことでした。
ちなみに、言語性IQと動作性IQの差が15以上あると、発達障害の疑いが強いと判断できるんだって!
いまちは二つのIQの差が29だから、発達障害がかなり疑わしい、ということなんだな。
作業スピードに問題あり
また、動作性IQが低いことから浮上するのが、作業スピードの問題。
処理速度(下位検査項目の符号、記号)の数値が低いことから、一般的な作業(事務作業や問題を解くなどの実際に手を動かすこと)を行い際に、行動が遅く人よりも時間がかかることがわかりました。
特に目で見て手元で作業をするものに関しては、それが顕著になるそう。
具体的には、
- はさみを使う
- 絵を描く
- 字や絵を写す
- パソコンのキーボードを打つ
など。
処理速度は手先の器用さにも関わる数値なのですが、わたしは手を動かすことそのものが遅く、周りのスピードに合わせようと必死になるため、手元の作業は人よりも疲れやすい傾向にあるのだとか。
特に、言語性IQが高く、思考能力が高いため、自分の作業スピードの遅さにもどかしさを覚えてストレスを感じるのだそう。
心理士さんいわく、
頭で考えたことの半分くらいを目標にするのがちょうど良いくらいですよ。思考力に作業スピードが追いつかないので。
らしいです。
検査時の様子から見えてきたこと
さらに検査中のわたしの様子から、驚くべきことがわかってきました。
わたしは頭では常識的な行動をある程度把握しているそうなのですが、場にそぐわない行動や反応をする場面が多々見られたそうです。
特に感情表現が極めて大きく、具体的には、
- できない問題があると「えっ!!」と急に大声を出す
- わからないと机に突っ伏してしまう
- 突然笑い出す
といった行動が見られたそうです。
ちなみにこれらの行動を、検査中にしていた記憶はありません…完全に無意識でやってます。汗
その場の雰囲気に自分の行動が合っているか、周囲からどう見られるかということに対して、あまり気にしない傾向があるのだそうです。世にいう「KY」ってやつでしょうかね。
このためその場の空気を読んで行動したり、他者の気持ちになって考えたりすることが難しく、対人関係の難しさに影響していると考えられるのだそうです。
バウムツリーテスト結果
WAIS‐Ⅲと共に受けた、精神・心理状態をチェックするためのバウムツリーテストでは、
↑こんなお世辞にも上手いとは言えないような微妙過ぎる絵を描いたわたしですが。
こんな絵で何かわかんのかい!と思っていましたが、心理士さんいわく、
精神的エネルギーはもっているけれど、エネルギーの出入力がうまく行われていない状態ですね。
自分のもつ力を十分に発揮できていない不全感を感じているのかもしれません。
とのことでした。
まとめ
WAIS‐Ⅲの結果を見る限り、発達障害の可能性が高いことがわかりました。
なんかほっとした、というのが正直なところですね。
特に言語性IQが高く、動作性IQが低いことから、学生時代はなんとか過ごしてこられたのに社会に出てから苦労する理由がわかった気がして、モヤモヤが晴れた感じです。
WAIS‐Ⅲを受けようか迷っている方には、わたし自身結果を知ることができ、自分が何者なのかわかる「自分のトリセツ」を手に入れてかなり安心したので、ぜひ受けることをおすすめしたいです!
今回の結果を、うまく今後の生活に活かしていきたいね!
大事なのは、頭で考えたことの半分を目標に、だぞ!